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主婦の友社発行
「プラスワンリビング」

9月9日発売号

銀器の歴史に秘められた

人間ドラマを語る連載

「アンティークシルバー

の思い出」  第14回


今回の主人公は

出自のハンデを乗り越えて

18世紀後半の英社交界と

宮廷女官政治の世界を生き抜いた

第5代アーガイル公爵夫人

この驚くべき女性が

銀器の世界に残した

興味深い足跡をたどります

 

不定期連載 『銀のつぶやき』  もくじ

 

 

「小さなつぶやき」

2008/8/6

銀磨きに歯磨きはダメ!

 「銀磨きするのにわざわざ銀磨き剤買う必要ないわよ。歯磨き使えばいいのよ。練り歯磨き使えばピッカピカ。もともと人間の口に入れること考慮して作られてるから安心安全だし...」

 いまだに、こういう無責任なことを書く方がいらっしゃるようで困ります。これ、トンデモナイ間違いです。最初にそのことを強調しておきます。理由は簡単です。たとえば、歯磨きの中でも根強い人気の「ソルト塩歯磨き」。こんなのを銀磨きに使うなんてダメであります。塩分は銀器にとって決して好ましい存在ではないのですから。

 中世から近世にかけて英国貴族の食卓で一番華やかな銀器のひとつが塩入れです。しかし、実際に塩を置く部分には必ず、金が掛けられています。金メッキです。純銀に金メッキ。「塩入れには必ず金メッキ」です。それは、なぜか。銀の表面に塩分が長期間付着したままだと、いつしか銀の表面をいためることになるからです。

 ということは、もう、お分かりですね。「ソルト塩歯磨き」を銀器につけて布でシコシコ磨くなんて絶対ダメ、ということです。磨いた時点、その一瞬はキレイになるでしょう「表面的には」。でも、これを繰り返していくといつか、塩分が銀の表面を劣化させていくこと確実です。

 「ソルト塩歯磨き」は一例に過ぎません。歯磨きは数えきれないほど多種多様なものが発売されています。そのすべてについて、どんな成分が配合されているかなど、調べようもありません。もちろん、人体への安全を第一に開発されていること、当然のことでしょう。しかし、人体に安全であること必ずしも「銀器にとって安全」とは限りません。

 「銀磨きには、歯磨きをつかうといい」この話、私が大学生の頃から、婦人誌の「主婦の節約術」とか「おばあさんの知恵」みたいな欄に書かれていたことを思い出します。あれからもう三十年以上が経過しているのに、いまだにこんなことを、節約術みたいに言ったり書いたりする方がいらっしゃるのは驚きです。いかに日本に銀器が根付いていないか、それを象徴しています。異文化ですから仕方ありませんけれど。

 今どき、東急ハンズやホームセンターのような店に行けば、銀専用の磨き剤はいくらでも売っています。決して高価なものではありません。銀器には専用の銀磨きをお使い下さい。

 忘れてました。最近外国のハミガキの中には人体に安全とはいえないものもあることを。銀のつぶやき第68回をお読み下さい。

■以下、変更なしです。

 このページをご覧になっていらっしゃるのは多分、一度は「英国骨董おおはら」にご来店のお客様だと思います。でしたら、店で、私の姿を見たことがある、という方も少なくないはずです。

 お客様に対して「いらっしゃいませ」と言ったきりで、とくに話しかけてくるわけでもない。なんとなく、とっつきにくい店主だな。そんな風に思っていらっしゃる皆様も多いことでしょう。

 実際、初めてのお客様に対して、私のほうから積極的に話しかけるということは、あまり致しません。どうやら、それが一部に誤解を生んでいるようです。「ちょっと暗めで無口な店主」そんなイメージを持たれるお客様がいらっしゃるようなのです。

 初めてこの話を聞いたときには、私自身びっくりしました。が、より驚いたのは私の近くにいる人々です。全員爆笑。当然です。どう考えてみても、その正反対のタイプですから本人は。まだ私が小学校低学年の頃、叔母が怖い顔で、こう言いました。

「千晴、お口にチャックしなさい!」

 というわけで、ここでは、アンティークシルバーに話題を限らず、大原千晴という男が、古い銀器に囲まれながら、一体何を考え考えているのか、その胸の内を少しだけ皆様にお話ししたいと思います。題して「銀のつぶやき」。

第85回 「歌のホロ苦さ」 2008/8/16

第84回 「今どきのお年寄り」 2008/8/3

第83回 「怖いファクス」 2008/7/27

第82回 「作文教室」 2008/7/25

第81回 「幕末のロンドン万博」 2008/7/12

第80回 「くじらとカンガルー」 2008/6/23


第79回 「新派大悲劇」
2008/6/11

第78回 「冷凍切り身魚の秘密」 2008/5/28

第77回 「アユの塩焼き」 その2 2008/5/12

第76回 「アユの塩焼き」 その1 2008/5/12

第75回 「午前四時のビラ配り」 2008/5/11

第74回 「マンハッタン」 2008/4/19

第73回 「悲しきヴヴレ」 2008/4/10

第72回 「雨の朝、怖いバス」 2008/3/24

第71回 「氷柱と桜色」 2008/3/22

第70回 「おばあ様のミカン」 2007/12/27

第69回 「おひとりさま清少納言」 2007/11/29

第68回 「危ない歯磨き発見者」 2007/10/7

第67回 「ロンドン女の心意気」 2007/9/23

第66回 「ちょっと違和感あり」 2007/9/12

第65回 「ダイアナ妃への思い」 2007/9/2

第64回 「20年ぶりのTATI、2」 2007/8/30

第63回 「20年ぶりのTATI、1」 2007/8/23

第62回 「旅と歴史」 2007/8/15

第61回 「真夏の成田山詣で」 2007/8/1

第60回 「島田以遠不通」 2007/7/17

第59回 「ケンカの相手」 2007/6/30

第58回 「クールな関係」 2007/6/27

第57回 「ジョージアン銀器?」 2007/6/17

第56回 「襲名披露と祝儀と旦那」 2007/5/29

第55回 「石見銀山」 2007/5/13

第54回 「桜とウグイス」 2007/4/11

第53回 「ファクスでお送りします」 2007/3/4

第52回 「マリー・アントワネット」 2007/2/18

第51回 「チキンラーメン」 2007/2/4

第50回 「シナトラとコンピュータ、その2」 2007/1/30

第49回 「シナトラとコンピュータ、その1」 2007/1/29

第48回 「虎ノ門タイピスト学校」 2007/1/28

第47回 「昼酒」 2007/1/19

第46回 「お酒と銀器」 2006/12/22

第45回 「フォアグラ禁止条例-2-」 2006/9/22

第44回 「フォアグラ禁止条例-1-」 2006/9/20

第43回 「事件の現場」 2006/8/27

第42回 「混乱のロンドン・ヒースロー空港 2006/8/15

第41回 「ローソン鶴巻店」 2006/7/17

第40回 「おめでとう、コシーバさん」 2006/7/4

第39回 「シャウニーのエトルリア展」 2006/5/1  

第38回 「幸せはオクラホマのタイ女性」 2006/4/26

第37回 「オクラホマ超級市場」 2006/4/11

第36回 「遠景」 2006/4/5

第35回 「南里文雄のトランペット2」 2006/4/3

第34回 「デニーズのクラブハウス2」 2006/3/27

第33回 「デニーズのクラブハウス」 2006/3/23  

第32回 「南里文雄のトランペット」 2006/3/10

第31回 「トカチワイン」 2006/3/5

第30回 「星影のステラ」 2006/3/4

第29回 「ああ、グローバル」 2006/1/15

第28回 「サムスンと渤海」  2005/12/09

第27回 「竜巻の国、オクラホマ」 2005/12/05

第26回 「メディア革命」 2005/10/14

第25回 「刻印で読む銀職人の世界」 2005/09/20

第24回 「ラジオ革命」  2005/08/29

第23回 「身近な緊張ロンドン歩き」 2005/08/15

第22回 「みちくさ」 2005/04/26

第21回 「銀の聖杯 その2」 2005/04/09

第20回 「銀の聖杯 その1」 2005/04/09

第19回 「スパイスの映画」 2005/03/30

第18回 「タンジールのみかん」 2005/03/05

第17回 「外から見た日本のイメージ」

2005/02/28

第16回 「パフィとキティと回る寿司」

2005/02/23

第15回 「ジプシー」 2004/10/4

第14回 「トロイオンスとシャンパーニュ」

2004/9/25

第13回 「水上勉さんのこと」 2004/9/15

第12回 「よその国で見たオリンピック」

2004/8/29

第11回 「地獄天国ボローニャ」 2004/8/12

第10回 「やっとの思いでボローニャ」 2004/8/11

第9回 「ボローニャと熱烈講義」 2004/8/7

第8回 「街歩きの楽しみ、その2」 2004/7/29

第7回 「街歩きの楽しみ、その1」 2004/7/26

第6回 「銀と銀貨と交易と」 2004/7/17

第5回 「赤ちゃんにウィスキー」 2003/12/17

第4回 「北の国での出来事」 2003/06/08

第3回 「銀塊はリャマの背に揺られて」 2003/04/09


第2回「イスタンブールのジュータン屋」
2003/04/01

第1回 「フォーク以前のこと」 2003/2/22


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